Nakako's comment / 2nd album "When I'm drifting in the morning"

アルバムリリースによせて

 

やっとご報告できる、と安堵と開放感でとても心の風通しが良いです。

4月にレコーディングを終え、時間がかかってしまいましたが

秋の入り口にこうして11曲たちをまた一つ作品としてリリースすることができました。

 

アルバムタイトルは、

When I'm drifting in the morning (私が漂っていた朝に )

世界を放浪していた昨年は、錯乱の年でもあったと思い出します。

大学休学直後から旅の最中につけていた日記を読み返すとネガティブな言葉も並べられ、個人的な諸問題と躁鬱の波の中で苦しい時も過ごしました。

 

旅に持参した一冊、ヘルマン・ヘッセ「デミアン」のある一節

「一体誰に取っても道はこんなに辛いものでしょうか?」
「ええ、生まれるということはいつでも辛いことですよ」

何度も引用し日記に書き残していました。

 

世界中の街を歩きながら、時に塞ぎ込んだり、のらりくらりしながら

それでも夢や理想に背かず、使命にも似た感情に燃やし続かされるように、その街その街で生まれた感情や触れた世界を何か新しい形で音楽に落とし込みたいと思っていました。

 

それは、ガンジスの日の出をボートで下る時に、

雨の日ハックニーの本屋に佇んでいた時に、

バーボンストリートの朝にバーを出る時に、

ふと、この一瞬の情緒を誰かに伝えたいなと思うと、鼻の奧がツンとする気がしました。

その時に私の曲たちが生まれたのだと思います。

 

あらゆるこの旅の出来事と関わりが、曲の5分に集約されました。クリエイションはとても素直なので、アーティストの影響全てが含まれます。

何のことだかわけの分からない曲もあると思いますが、そのところは、私にもよく分かりません。

 

数年前通っていたアクターズスクールの先生にこう言われたことがあります。

「死にたいと思ったことはあるか。私があなたの目をじっと見つめれば、あなたは享受して泣き出してしまうような感受性を持っている。死にたい人を止めろ。」

 

私はまだ音楽家のたまごですが、表現をすることの本質をこの言葉から受け取ったつもりです。

音楽に限らず、映画や本や絵画など素晴らしい表現は、生きていく糧になることがあると思うからです。

旅の最中に読んだ「デミアン」が私にとって力となったように、

私の曲たちが誰かにとって暖かな栄養になるように願います。

時と空間を超えて、本当の食べ物になりますように。

 

10月21日にはリリースパーティーがあります。

そこで皆さんとお会いして、感謝を申し上げたいです。

 

最後に、アルバム中に何度か登場する"Beijing Boy (北京の男の子)”というワードについて。

旅の中で出会ったある彼は私と同い年で、バンドを続けながら働いていました。

言うまでもないですが、「こうしたかった」と後から悔やむ人生は切ないです。夢があるならそれに向かってみるべきですが、環境によって思うようにできないこともあるでしょう。独りで生活するには大変な時もあると思います。

彼だけではなく、険しい道を歩む人の姿勢を表す意味で"Beijing Boy (北京の男の子)”を使いました。

 

You dream of living in London, Think about a boy from Beijing,
(
ロンドンに住むことを夢見て、北京の男の子のことを考える)
Truck Stop Girl

 

"I remember sweet boy I met in Beijing, but I say, a long away from Tupelo."
(北京で出会った男の子のことを思い出すけど、私は言う、トゥーペロから遠いなあ) - Rena

 

今回レコーディング期間に糧にしたアルバムを、参考資料として載せます。

彼らへ敬意と感謝を示します。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 

Elliott Smith Figure 8

MazzystarAmong My Swan

Mojave3Excuses for Travellers

Tim BuckleyGoodbye and Hello

SparklehorseVivadixiesubmarinetransmissionplot

The BeatlesSgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band

Frank ZappaFlake out!

The DoorsMorrison Hotel

The TemptationsThe Temptations Sing Smokey

Kurt VileB'lieve I'm going down

Mary Lou LordGot No Shadow

Sibylle Baier Colour Green

Vashti BunyanHeartless

Julien BakerSprained Ankle

 

Nakako's comment / 1st album "at dawn"

アルバムリリース、ワールドツアーによせて

 

2月、レコーディングが終わりました。
数年間書き溜めた曲達をやっと一つのかたちできること、充足感でいっぱいです。

 

10曲入りのアルバムが完成しました。

一曲、一曲にストーリーと、伝えたいメッセージがあり

生まれたばかりの子供のようで、愛らしく感じます。

 

20歳の節目を向かえた昨年は

「私は何がしたいんだろう、何ができるんだろう」と自分に問い続けた一年でした。

大学二年時という段階、卒業後の進路を考えた際、妙な胸騒ぎと戸惑いがありました。

いつまで音楽を続けられるか分からず、漠然と将来に向き合う不安の中、

かつて「これが最後になっても構わない」と思えるよう音楽に取り組んだことはあったか、少し反省もしていました。

 

MazzystarMojave390年代のドリームポップバンド...

RonSexsmithElliottSmith、といったシンガーソングライター...

BobDylanNeilYoung、偉大なミュージシャン...

私は欧米の音楽が大好きで、ずっと憧れを持っていました。

彼らに対する敬意や、生き甲斐を与えてくれた感謝の気持ちが消えることはありません。

また「この感動は何らかの形で人に伝えなければならない」と使命に似た感情をずっと密かに、胸に抱いていました。

 

例えば、私がJeffBuckleyの表現にRedZeppelinを見出したように

ミュージシャンは少なからず、過去の音楽から影響を受けたり、模倣をしているのではないでしょうか。

(もちろん唯一無二のクリエイターもいると思います。)

それは、決して二番煎じになるという意味ではなく、

温故知新“というのか、昔の良い音楽を受け入れた上で、今の自分ができることをして未来へ受け渡すことで、

そうして繋がり続けてきた音楽を、現在の私たちが耳にしていると私は思うからです。

 

私は自分が与えられたものを、誰かに返したいです。

そう考えていた昨年秋、MaryLouLord - JAPAN TOURバックバンドが決まりました。

Maryと過ごした数日間は夢のようでした。彼女は無邪気で、可愛らしくて、時にワイルドで...魅力的な人。

実は私は14歳の頃、いつか彼女に会えると信じていました。

特別な親近感を抱き、時が来て会えたなら、彼女も本質的にそれを理解してくれるだろうと思っていました。

だから、Maryが私に

「あなたは20年前の私に似ている。」と言って

mini meと呼んでくれた時、奇跡は起こるんだなと思いました。

 

だから私は、きちんと音楽に取り組みたいです。

憧れのミュージシャンたちに少しでも近づけるように、自分のできることをしたいです。

微々たるものでしょうが、いつか私の取り組みが、世界のどこかにいる人に影響を及ぼした時

私の表現に過去のミュージシャンたちを見出してくれたらと思うのです。

 

曲を書いていた時は、より良いものを、と常に意識していたためとてもエネルギーが必要で、精神的に疲弊してしまうこともありました。

また、私のような音楽は、近年の若いバンド(とくに日本)では見聞きしないため、

どう捉えられるのか、不安も感じていました。

 

辛くなった時はよく、17歳のある日を思い出します。

当時、私は音楽フェスのオーガナイザーをしていて、関わっていた来日バンドメンバーとの出来事です。
その思い出はいつも、私に勇気をくれます。

 

— 仕事中、休憩しようと外に出た時に、彼はいました。

「タバコを吸うの?」と聴かれ、吸いませんと答えると

Good Girl」と。そして彼は私に、ゆっくりと話し始めました。

「あなたは、私の音楽を聴いて、何を感じました?」
「あなたが感じたこと、それが、私の伝えたかったことです。私はただ、そのためにバンドを続けてきました。」

私は、あなたがどれほど大変か、よく分かります。

あなたはユニークです。私の国にも、おそらく日本にも、あなたのような人はいません。

Good Girlで居続けて。そうすれば、素晴らしいことを成し遂げられます。」 

 

4月からワールドツアーが始まります。

42日には台湾の音楽フェスSpringScreamに出演が決定しました。

http://www.springscream.com/?page_id=2315 

この後、2週間程かけて香港、マカオ、北京の中国大陸TOURを行います。

その後は半年間ワールドツアーを行う予定です。

 

私は以前から“ミュージシャンの生活”というものに魅力を感じていました。

自分の作品を持って世界を廻り、そこで多くのことを吸収し、工房のような家に持ち帰ってまた作品をつくる...

永遠のアウトプットとインプットというのか、それは時にアドベンチャーで、時に孤独です。

その生涯の繰り返しの中で変化するミュージシャンに惹かれます。

 

昨年12月、私はメルボルンでバスキングをしていました。

そこで体験したこと/考えたことを東京に持ち帰り、今回のレコーディングに入りました。

だから、この作品を持ってまた世界に出たいです。

大学生活に不服している訳ではありません。SFCでたくさんの素晴らしい経験や友人と出会い、充実して過ごしていました。

けれど今の私が挑戦したいことを考えた時に、大学に通うことが本当に必要なのか、疑問に思います。

私にとって大学での学びが必要であると思えば復学します。それともこれっきりになるのかもしれません。

ただいつも、自分らしく生きるためには、居心地の良い場所だけにいてはいけないと思ってきました。

 

最後に、これまでお世話になった方々に感謝の気持ちを申し上げたいです。

今回レコーディング期間に糧にしたアルバムを、参考資料として載せます。

彼らへの感謝を示せたら良いですし、私もその音楽を紡いでいきたいです。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 

Elliott Smith Either/Or」「XO」「From a Basement On The Hill
Mazzystar
She Hangs Brightly」「So Tonight That I Might see」「Among My Swan

Mojave3Ask me tomorrow

Blind Pilot3 Round and a Sound

BeckMellow Gold

The BeatlesMagical Mystery Tour

Neil YoungAfter the gold rush」「Harvest

Nick DrakeFive Leaves Left

The Velvet Underground & NicoThe Velvet Underground & Nico

The Jesus and Mary Chain Darklands

Ron SexsmithOther Songs

Jason IsbellSoutheastern

Sun Kil MoonBenji

Catpower「TheGreatest」

Tracy ChapmanTracy Chapman

Suzanne VegaSolitude Standing